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ドラム缶について

 

ドラム缶ができるまで

日鉄ドラムのドラム缶製品は、テクノロジーを配し、安全でクリーンな自動化ラインから生み出されます。
ここでは、ドラム缶の製造工程をムービーでご紹介します。

4つの製造工程をまとめて再生

01.天地板加工・胴板加工

02.化成処理

03.ドラム缶成形

04.塗装・仕上

 

工程図

工程図のPDFは下記からダウンロードください。

 

技術開発への取り組み

ドラム缶に関わるハイレベルな技術開発を目指して

1.技術開発の必要性

平成元年当社は国内ドラム缶メーカーとして初めて技術センターを設置し、今日に至っています。最近のドラム缶の向け先は大半が化学製品向で、他は石油・塗料・食品向等となっています。
化学製品は産業の高度化・複合化に伴ない、多種多様な新製品が続々と出現し、それを保管する代表的な容器としてのドラム缶に要求される品質も厳格化・高級化の一途をたどっています。
このような状況に対応したドラム缶に関する技術開発を積極的に推進することが求められておりこれが正に技術センターの使命です。

 

2.ドラム缶製造プロセス革新

ドラム缶は薄鋼板を素材とした極めてポピュラーな容器ですが、その製造プロセスは、プレス・溶接・化成処理・塑性加工・接合・塗装など、薄鋼板の利用加工技術が全て網羅されています。これらの製造プロセスの高効率化・高品質化・低コスト化を実現する為の技術開発が不可欠です。前述の利用加工技術項目の中からドラム缶独自技術として開発するもの、他産業にて開発された技術をドラム缶に適用するもの等を有機的に組み合わせ、当技術センターでは技術開発を推進しています。
直近では、コンピューターシュミレーション技術を用いた有限要素法による、ドラムの加工・性能解析も手がけています。

巻締め開始

巻締め開始

巻締め途中

巻締め途中(第1ロール終了)

巻締め終了(第2ロール終了)

巻締め終了(第2ロール終了)

 

3.信頼される活動を目指して

走査電子顕微鏡(SEM) エネルギー分散型X線分析装置付

走査電子顕微鏡(SEM)
エネルギー分散型X線分析装置付

ドラム缶に充填される内容物は日々進化、変遷を遂げており、顧客が新製品を開発する度に、ドラム缶の最適仕様に関する相談があります。当技術センターは、過去の長い経験に根ざしたデーターを活用しつつ、種々の試験を行い適格に対応しております。加えて顧客の求める技術データーの提供及び技術解析も行なっております。
これらの活動がCS活動(カスタマーサティスファクション)であり、これを長年実施していく中で、ドラム缶需要家との連携強化を図っております。

 

4.商品開発

高耐食性を有するステンレス鋼板を素材としたステンレスドラムが一般的に流通していますが、廉価型ステンレスドラムも商品化が可能です。 合わせて、内面の防食強化を狙った塗装技術、あるいはプラスチックを応用した新商品の開発にも取り組んでいます。

 

よくある質問

 

ドラム缶を発明したのはだれ?

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人にも物にも、その生い立ちに意外なエピソードを秘めているケースが少なからずあります。意外さという点では、ドラム缶の発明も他にひけをとらないでしょう。

話は今から百年ほど前の1903年まで遡ります。当時、アイアンクラッド社という会社を経営していた夫と結婚した元婦人記者のネリー・ブライ女史が、欧州旅行中、グリセリン入りの金属樽を見て、現在のドラム缶の原形を考案したのがそもそもの始まりだといわれています。新聞記者、それも女性がドラム缶の生みの親と聞くと、どうしてもその人物像を知りたくなります。調べてみると、ネリー・ブライ女史は当時大変な有名人でした。

1889年、ジュール・ベルヌの空想小説「80日間世界一周」にヒントを得て、敢然とそれにチャレンジ、何と72日間で世界を一周してしまいました。交通事情が現代とは比べものにならない19世紀の時代に、22歳の女牲が一人で世界一周旅行をするなど、当時としては考えられない出来事だったに違いありません。ちなみに、彼女はその旅行中、横浜にも立ち寄っています。こうした冒険が大好きなアメリカ人だけに、彼女は一躍有名になり、歌にまで歌われるようになったといわれます。この進取の気性に富んだ女性によって考案されたドラム缶は、百年を経た今日も、ほとんどその形状を変えていません。それだけ最初のデザインが優れていたということでしょう。

 

日本で最初にドラム缶を製造したのはいつ?

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当時の工場の風景

1932年3月に当社の前身である合資会社日本ドラム罐製作所において、日本で最初の鋼製ドラム缶の商業生産が開始されました。当時は、まさに手作りしており、現在のオートメーション工場は夢の話でした。現在、当社の本社ビルがある東京都江東区亀戸には日本におけるドラム缶発祥の地としてモニュメントが建っています。

右の写真は当時の当社の工場風景、下の写真は現在の当社(本社)のあるビルとモニュメントです。

現在の本社ビル
現在の会社ビルにあるモニュメント
当時の工場の様子
 

ドラム缶の強さの秘訣は?

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容器は時代とともに大きく変化します。昔よく見かけた牛乳ビンや一升瓶はあまり見かけなくなっているのに、ドラム缶は百年を経た今日も堅調に推移しています。その強さはどこにあるのでしょうか。それは、容器としての優秀性つまり、

  1. JISに規定された液体、固体等の輸送兼貯蔵容器であること。
  2. 作業者が特別の機器を使用せずに取り扱う事ができ、ハンドリングが容易であること。
  3. 他の競合する輸送・貯蔵容器に比べて、リーズナブルなコストの容器であること。
  4. 鋼製ドラム缶業界は、リサイクルが完全に行われていること。( 新缶 → 使用 → 再生缶 → 使用 → スクラップ → 別の形の鉄素材 )
 

ドラム缶のリサイクルはどうなっているの?

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グリーン リサイクル スチールドラム・ペール

ドラム缶は地球環境を守るリサイクル商品の優等生

ドラム缶はリサイクルの優等生です。地球環境問題がクローズアップされている21世紀においてこの問題の重要性は増しこそすれ、減ることはないでしょう。その一環として浮上してきたのが、リサイクル。今や産業界全体がリサイクルヘの対応を迫られています。この点、ドラム缶業界は古くからリサイクルを行なってきた優等生です。

一般に、一度使用されたドラム新缶は再生缶メーカーに回収され、内部洗浄や再塗装を経て市場に再デビューします。そこで数回使われたあとは、スクラップとなって製鉄所に運ばれ、新しい鋼材として生まれ変わります。まさに完壁ともいえるリサイクルではないでしょうか。

産業の高度化に伴って、ドラム缶の内容物も多様化・複雑化し、その洗浄の際に出る残渣物質は、そのまま廃棄すると公害問題を引き起こしかねなません。リサイクルとともに、こうした社会的要請にどう応えていくか。日鉄ドラムを初めとするドラム缶業界では、国際会議等でこの間題について検討しており、「地球にやさしい企業」を目指しています。

下図のように、ドラム缶は再生により地球環境を守っています。

ドラム缶が再利用されるまで
 

街中できれいなドラム缶を見かけないが?

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ガソリンスタンドなどの街中で見かけるドラム缶はかなり汚れたものが多いが、新ドラムとして生産されたときは、実にカラフルできれいです。外が汚れて見えるのは、それだけ内容物をきれいに保っているためです。

現代は「キレイ」な時代です。何人も、何物も、どんなに有能・有用であろうと、きたなければソッポを向かれてしまいます。産業界においてもまたしかり。「ファインケミカル」「ハイテク」などの言葉が示すように、産業はより精巧に、より高度に変化してきています。たとえばファインケミカル。これは従来の石油化学工業などの素材型化学品に対し、医薬品や化粧品、塗料、農薬などの高付加価値型の化学品をいいます。同様に、エレクトロニクス産業においても、半導体、超LSI、新素材などが日本経済の推進役となっているのはご存じの通り。これらの製品を製造するためには、ゴミやホコリのないキレイな環境、いわゆるクリーンルームが不可欠となります。

その必然の結果として、材料などを入れる容器もクリーンでなければならない。つまり、クリーンルームには「クリーンドラム」が必要なのです。クリーンドラムの対象物としては、自動車用塗料、ロボット用作動油、半導体製造洗浄剤、接着剤などがあり、それぞれに応じた清浄度が設定されています。しかし、これは口でいうほど簡単ではない。ドラム缶内に入り込む汚染物質の最たるものは、大気中に浮遊している塵埃。また、作業衣や手袋、機械設備から発生するゴミやホコリにも油断はできません。これらの混入を防止・減少させるために、専用のフィルターが用いられるほか、工場内では、壁や床、機械、そこで働く人に至るまで、常に清掃し清潔に保つ必要があることはいうまでもありません。

このように、クリーンドラムの製造は、ミクロとの闘いでもあるのです。

 

国内のドラム缶の統計データについて教えてください

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1) 鋼製ドラム缶の出荷量推移
資料を見る

2) 鋼製ドラム缶(新缶)の内容物比率
資料を見る

この他のドラム缶に間するQ&Aは 【ドラム缶工業会のホームページ】 をご覧ください。