ドラム缶Q&A : 日鉄ドラム

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ドラム缶Q&A

Q1

ドラム缶を発明したのはだれ?

人にも物にも、その生い立ちに意外なエピソードを秘めているケースが少なからずあります。意外さという点では、ドラム缶の発明も他にひけをとらないでしょう。

話は今から百年ほど前の1903年まで遡ります。当時、アイアンクラッド社という会社を経営していた夫と結婚した元婦人記者のネリー・ブライ女史が、欧州旅行中、グリセリン入りの金属樽を見て、現在のドラム缶の原形を考案したのがそもそもの始まりだといわれています。新聞記者、それも女性がドラム缶の生みの親と聞くと、どうしてもその人物像を知りたくなります。調べてみると、ネリー・ブライ女史は当時大変な有名人でした。

1889年、ジュール・ベルヌの空想小説「80日間世界一周」にヒントを得て、敢然とそれにチャレンジ、何と72日間で世界を一周してしまいました。交通事情が現代とは比べものにならない19世紀の時代に、22歳の女牲が一人で世界一周旅行をするなど、当時としては考えられない出来事だったに違いありません。ちなみに、彼女はその旅行中、横浜にも立ち寄っています。こうした冒険が大好きなアメリカ人だけに、彼女は一躍有名になり、歌にまで歌われるようになったといわれます。この進取の気性に富んだ女性によって考案されたドラム缶は、百年を経た今日も、ほとんどその形状を変えていません。それだけ最初のデザインが優れていたということでしょう。


Q2

日本で最初にドラム缶を製造したのはいつ?

昭和7年10月に当社の前身である合資会社日本ドラム罐製作所において、日本で最初の鋼製ドラム缶の商業生産が開始されました。当時は、まさに手作りしており、現在のオートメーション工場は夢の話でした。現在、当社の本社ビルがある東京都江東区亀戸には日本におけるドラム缶発祥の地としてモニュメントが建っています。

右の写真は当時の当社の工場風景、下の写真は現在の当社(本社)のあるビルとモニュメントです。





Q3

ドラム缶の強さの秘訣は?

容器は時代とともに大きく変化します。昔よく見かけた牛乳ビンや一升瓶はあまり見かけなくなっているのに、ドラム缶は百年を経た今日も堅調に推移しています。その強さはどこにあるのでしょうか。それは、容器としての優秀性つまり、

  • JISに規定された液体、固体等の輸送兼貯蔵容器であること。
  • 作業者が特別の機器を使用せずに取り扱う事ができ、ハンドリングが容易であること。
  • 他の競合する輸送・貯蔵容器に比べて、リーズナブルなコストの容器であること。
  • 鋼製ドラム缶業界は、リサイクルが完全に行われていること。
    ( 新缶 → 使用 → 再生缶 → 使用 → 鉄の原料 → 新缶 )

があげられます。


Q4

ドラム缶のリサイクルはどうなっているの?

ドラム缶は地球環境を守るリサイクル商品の優等生

ドラム缶はリサイクルの優等生です。地球環境問題がクローズアップされている21世紀においてこの問題の重要性は増しこそすれ、減ることはないでしょう。その一環として浮上してきたのが、リサイクル。今や産業界全体がリサイクルヘの対応を迫られています。この点、ドラム缶業界は古くからリサイクルを行なってきた優等生です。

    

一般に、一度使用されたドラム新缶は再生缶メーカーに回収され、内部洗浄や再塗装を経て市場に再デビューします。そこで数回使われたあとは、スクラップとなって製鉄所に運ばれ、新しい鋼材として生まれ変わります。まさに完壁ともいえるリサイクルではないでしょうか。

産業の高度化に伴って、ドラム缶の内容物も多様化・複雑化し、その洗浄の際に出る残渣物質は、そのまま廃棄すると公害問題を引き起こしかねなません。リサイクルとともに、こうした社会的要請にどう応えていくか。日鉄ドラムを初めとするドラム缶業界では、国際会議等でこの間題について検討しており、「地球にやさしい企業」を目指しています。

下図のように、ドラム缶は再生により地球環境を守っています。


Q5

街中できれいなドラム缶を見かけないが?

ガソリンスタンドなどの街中で見かけるドラム缶はかなり汚れたものが多いが、新ドラムとして生産されたときは、実にカラフルできれいです。外が汚れて見えるのは、それだけ内容物をきれいに保っているためです。

現代は「キレイ」な時代です。何人も、何物も、どんなに有能・有用であろうと、きたなければソッポを向かれてしまいます。産業界においてもまたしかり。「ファインケミカル」「ハイテク」などの言葉が示すように、産業はより精巧に、より高度に変化してきています。たとえばファインケミカル。これは従来の石油化学工業などの素材型化学品に対し、医薬品や化粧品、塗料、農薬などの高付加価値型の化学品をいいます。同様に、エレクトロニクス産業においても、半導体、超LSI、新素材などが日本経済の推進役となっているのはご存じの通り。これらの製品を製造するためには、ゴミやホコリのないキレイな環境、いわゆるクリーンルームが不可欠となります。

その必然の結果として、材料などを入れる容器もクリーンでなければならない。つまり、クリーンルームには「クリーンドラム」が必要なのです。クリーンドラムの対象物としては、自動車用塗料、ロボット用作動油、半導体製造洗浄剤、接着剤などがあり、それぞれに応じた清浄度が設定されています。しかし、これは口でいうほど簡単ではない。ドラム缶内に入り込む汚染物質の最たるものは、大気中に浮遊している塵埃。また、作業衣や手袋、機械設備から発生するゴミやホコリにも油断はできません。これらの混入を防止・減少させるために、専用のフィルターが用いられるほか、工場内では、壁や床、機械、そこで働く人に至るまで、常に清掃し清潔に保つ必要があることはいうまでもありません。

このように、クリーンドラムの製造は、ミクロとの闘いでもあるのです。



統計

1) 鋼製ドラム缶の出荷量推移

2) 鋼製ドラム缶(新缶)の内容物比率

(出典:ドラム缶工業会  単位:%)

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